『首折り男のための協奏曲』伊坂幸太郎
何の予備知識もなく読んだ。長編かと思っていたら短編集で、もとは別々の媒体で発表した作品を一冊にまとめたものらしい。ところどころリンクしている部分はあるが、伊坂幸太郎らしさというか、最後に全てが繋がってスッキリという爽快感はあまりないと感じた。
『僕の舟』が特によかった。妻側の視点から語られ、彼女が無邪気で可愛らしい。
僕の舟
60年前の記憶。
普通は忘れてしまうものだけど、60年経っても覚えているのはそれほど大切な初恋の思い出だから。
人間らしく
人間らしさが何かはわからない。
神様は人間界を見ているときは助けてくれることもある。
見てないときは何もしてくれない。神も仏もいないのか、というのは間違いでただみてないだけ。
月曜日から逃げろ
黒澤格好良い。薄々分かりながら読んでいたけど、それでも読み返したくなる仕掛け。
合コンの話
おしぼりサインが面白い。
色々な作戦があるんだなと感心した。
「どこかで苦しんでいる別の人のつらさを比べて、泣くのを我慢する必要はないでしょ。~目の前の生活で一喜一憂していくしかないんだよ」
「僕たちは自分の時間を、自分の人生を、自分の仕事をちゃんとやることしかできないような気がします」
日々生きていると色々なことが起こり、楽しい気持ちや辛い気持ちになることもある。
自分の人生を受け止めて、自分に出来る事をやっていけばいい。
周りを気にして無理をする必要はないということなのかなと思った。