山とか写真とか

写真が好きでよく山に登っています。季節それぞれの良さを感じながら歩くのが好きです。

『風のマジム』原田マハ


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風の酒を造りたい!
まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として――。

 

 

 

図書館本。

 

以前に会社の上司から面白かったという話を聞いて気になっていた本。

 

原田マハの作品は何冊か読んでいて、けっこう好きな作家さんです。

特に『生きるぼくら』が好きで、作中でキーとなる東山魁夷の絵画に興味が出て、京都で開かれた美術展に行ったりもしました。

舞台となった御射鹿池に行きたいとずっと思っていますが、なかなか行けていません。八ヶ岳のすぐそばなので登山と絡ませて行きたいですね。

 

 

台風の通り道、海風が吹き抜ける南大東島のサトウキビを使って沖縄産のラム酒を造りたい。

主人公のまじむは周りの人たちの力を借りながら、自分の夢を叶えるために奮闘します。最初は意地悪だった会社の先輩も、行きつけのバーのバーテンダーも、南大東島の人々も、夢を叶えようとするまじむの姿を見て心強い味方になってくれます。

 

いつしか、沖縄産のラム酒の誕生はまじむだけの夢ではなく、まじむと関わる人たちの夢にもなっていました。

 

 

そんなまじむを支える大きな存在がおばあ。

時に厳しい言葉でまじむを叱るのも、何よりもまじむのことを大切に思っているからこそ。

壁にぶち当たって悩むまじむを励まし、そっと背中を押してくれるおばあは誰よりもまじむの夢の実現を望んでいました。

 

「まじむ。お前も、育っていけ。いいことも悪いことも、全部、風に吹かれれば、なんくるないさ

 

 

 

本編を読み終わりあとがきを読んで知ったのが、この話実は実話だということ。

全く人生、甘くない。だけど、けっこう悪くない。

そんなお話。

あと、ラム酒を飲んでみたくなります。

 

 

 

 

 

 

風のマジム (講談社文庫)

風のマジム (講談社文庫)

  • 作者:原田 マハ
  • 発売日: 2014/08/12
  • メディア: 文庫
 

 

 

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