青空霧氷の綿向山② 2020.2.11
前回の続き
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七合目に到着したところでフィルムカメラを取り出しました。
霧氷に光が当たって綺麗でした。しかし、ここでフィルムカメラを取り出したことが将来の自分を苦しめることになります。
ここからは冬道を登ります。
写真の様子から伝わるでしょうか。
遮るものがなくなり強風が吹きつけます。
先程までは暑いくらいでシャツ一枚で行動していましたが、ぐんぐん体感温度が下がっていくので中間着と上着を身に着けました。
冬道は先行者のトレースを辿りながら木々の間を登っていきます。
傾斜がきつくなってきたのでアイゼンを装着することにしました。
GRIVEL(グリベル) G12・ニューマチック GV-RA074A02
毎回思うんですけど手袋しながら装着することが苦手で、手袋を脱いで素手で付けたくなります。
まあ、これも練習なので低山ソロ行動の時は時間を使ってでも手袋を外さずに付けるようにはしていますが…。
厳しい環境下では肌を晒すと凍傷のリスクが高まるためNGとされています。今後、冬のアルプスや八ヶ岳に登ろうと考えている場合、手袋をはめながらでも苦労なく作業できるようになりたいですね。
アイゼンを付け終わった頃、後ろから男性がやってきて話し掛けられました。
「カメラのレンズキャップありますか?」
その言葉に僕は自分の体を見下ろします。
デジタルカメラにはレンズキャップは付いていませんでしたが、これは登山開始直後からポケットに入れてあります。
先程ザックから出したフィルムカメラはというとこちらもレンズキャップはない状態でしたが、それではキャップがどこにあるのかというと僕にはわかりません。
「あっ、ないですね」
僕は素直に答えました。
「やっぱりお兄ちゃんのやったか~。さっき冬道の看板のところに落ちてたんやけど、拾ってあげれば良かったなあ」
男性は申し訳なさそうな顔をしていました。
冬道の看板というと、ここです。
頂上ピストンの場合は帰りに拾うこともできますが、この段階では竜王山への周回コースにするかピストンにするか決めかねていたので、男性にお礼を言って取りに戻ることにしました。
えっちらおっちらと登ってきた道を下っていきます。
ガチガチの氷ではないため、雪をかき分けるようにしてずんずん進むことができました。柔らかい雪質を踏むのは楽しいです。
途中で、登山口付近で抜かした女性二人組とすれ違い、声をかけられました。
「上は霧氷どんな感じでした?」
「僕も上まで行ってなくて、レンズキャップを落としたので戻ってます」
二言三言会話をして別れました。
冬道の看板のところまで戻ると、キャップはそこにありました。
拾ってすぐに登り返します。
今度はアイゼンを付けているため、さっき登った時より楽に登れます。
女性二人組に追いつきました。
「落し物は見つかった?」
「無事にありました」
「今日は霧氷が綺麗だから、写真撮るのも楽しいね」
おっしゃる通り、自然林についた霧氷が美しく道中の写真が楽しい。
少し会話をしてから別れました。
ちなみにこの人たちはまた登場します。
北の方角が見えます。
でんと見える白い山は霊仙山でしょうか。
光の当たる面積が増えてきて、霧氷の白さも際立つようになってきました。
綺麗で歩くのが楽しい。
この辺りはどう撮れば良いのかわからなかったので、目についたまま構図も何も考えずに撮っています。
真ん中に写っている横に長い山頂部は御池岳ですかね。
霧氷が育っています。
この辺りも風が強いんだろうなあ。
冬道を登り終え別の登山道と合流しました。
ここまで来ると山頂はすぐそこです。
山頂手前で撮ったこの写真がけっこう気に入っています。
9時ごろ山頂に到着しました。
人気の山ということもあり、すでに結構賑わっています。
頂上では雨乞岳と鎌ヶ岳が出迎えてくれました。
次回へ続く。