『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』 角幡 唯介
現代の冒険界に期待の新星現る!!
チベット、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる場所があった──。その伝説の地を求めて、命の危険も顧みず冒険に出る。開高賞ほか数々の賞を受賞した若き冒険作家のデビュー作。
-Amazon.co.jpより
ラジオで著者のことを知り気になったので購入。
著者は早稲田大学探検部OBで、人跡未踏の地を自分の力で切り開く古典的な探検を理想としていた。
そんな彼が、世界に残された最後の秘境”ツァンポー峡谷”と出会う。
この本はツァンポー峡谷の探険史が丁寧に書かれていて、それだけでも読み応えがあった。
今まで誰も足を踏み入れたことがない地を冒険する。
言葉の響きはとてもロマンチックだが、死と隣り合わせの冒険は自分は怖くて出来ない。〈逃げ場のない旅をしてみたい〉と著者は作中で語っていて、根っからの冒険家気質を感じた。
著者の文章能力が光っていて、自分が彼の体を借りて実際に世界一の峡谷を冒険している気分になる。
壮大な峡谷で一人、生死の淵を彷徨い歩き続けるリアルな描写に引き込まれた。